2011年3月4日金曜日

糖尿病の診断

(1)糖尿病型の判定
・初回検査で次の①~④のいずれかを認めた場合は「糖尿病型」と判定する。

①早朝空腹時血糖値126mg/dl以上
②経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値200mg/dl以上
③随時血糖値(任意の時間に測った血糖値)200mg/dl以上
④HbA1c(JDS値)6.1%以上

(2)糖尿病の診断手順
・糖尿病が疑われる場合には、血糖値の検査と同時にHbA1cも測定する。
・1回の検査で血糖値(①~③のいずれか)とHbA1c(④)がともに糖尿病型の場合、それだけで糖尿病と診断できる。
・別の日に2回検査を行い、ともに糖尿病型であれば糖尿病と診断できる。ただし少なくとも一方で必ず血糖値(①~③)の基準を満たしていることが必要であり、HbA1cのみの反復検査では診断不可。
・血糖値が糖尿病型を示し、かつ次のいずれかが認められれば1回の検査でも糖尿病と診断できる。
a,口渇、多飲、多尿、体重減少など糖尿病の典型的な症状
b,確実な糖尿病網膜症

(3)正常型
・次の①と②をともに満たすものを正常型とする

①早朝空腹時血糖値110mg/dl
②75gOGTT2時間値140mg/dl

・正常型であっても75gOGTT1時間値180mg/dl以上のものは境界型に順次経過観察をする。
・空腹時血糖値が100~109mg/dlは正常域ではあるが、「正常高値」とする。

(4)境界型
・正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型とし、次のものが含まれる。
①早朝空腹時血糖値110~125mg/dlのもの(IFG)
②75gOGTT2時間値140~199mg/dlのもの(IGT)

(5)妊娠糖尿病
・75gOGTTにて次の基準の1点を満たした場合に診断する。
①空腹時血糖値92mg/dl以上
②1時間値180mg/dl以上
③2時間値153mg/dl以上

・前述の糖尿病の臨床診断において糖尿病と診断されるものは妊娠糖尿病から除外する。